セントラルスポーツ 元気っ子NEWS

集中力

運動

勉強前に運動することを勧める理由

子どもの場合、勉強を始めてみたものの、すぐに気が散ってしまったり,すぐに集中が途切れてしまったりすることがよくあります。集中力を高めたり、維持したりすることは難しいことです。
しかしながら、効果的な方法の一つに「運動」があります。学習前の適度な運動が、集中力や学習効率を高める可能性があることを、これまでに複数の研究が指摘しています。

代表的なものとして、ウォーキング後に集中力や学力がどう変わるかについて、子どもを対象にして調べた研究があります。
この研究では、何もしないで安静にした後と、ウォーキング後の2つの条件でテストを行い、その結果を比べました。その結果、ウォーキング後は、回答までの速さは変わらないものの、まぎらわしい情報の中でも正しく答える力が高まり、より正確に答えられるようになっていました(図1)。

図1|運動条件と安静条件のフランカー課題における反応時間と応答の正確性​

これは、身体を動かした後に、注意リソースの配分や抑制制御が向上した(注意をうまく制御できるようになった)ことを意味しています。さらに、ウォーキング後は、注意力に関係する脳波も強くなっており、脳の働きが活性化され、より集中しやすい状態になっていることも確かめられました。

最近の研究では、ほんのわずかな時間、身体を動かすだけでも効果があることが報告されています。
研究では、安静にした後と、3.5分間ストレッチ・片足バランス・手指の運動などの軽運動を実施した後の2つの条件で、認知機能の測定と心理的気分状態の評価を行いました。その結果、運動条件において認知課題(記憶・注意・判断・問題解決などの“頭の働き”に関する課題)に対する反応時間の短縮、快適度の向上、覚醒度の維持といった結果が生じていました(図2)。

​図2|3.5分の軽運動の実施が及ぼす反応時間,快適度,覚醒度への影響

これらの変化は、ほんの少し身体を動かすだけで、脳が集中しやすい状態になることを示唆していました。

では、なぜ“運動すると集中力が高まるのでしょう。
運動をすると心拍数が上昇し、脳への血流が増え、神経細胞への酸素・栄養の供給が高まります。その結果、注意や判断を司る前頭前野の働きが活発になります。さらに、ドーパミンやノルアドレナリンといった覚醒や意欲に関わる物質の分泌も高まり、やる気や集中力の向上につながるのです。

学習前の適度な運動は、科学的に裏づけられた集中力向上の手段の一つです。机にいきなり向かうよりも、勉強の前に身体を動かしたほうが、学習の質が良くなる可能性が高まります。
さらに、勉強の前だけでなく勉強の合間に軽い運動(ジャンプ・その場足踏みなど)を行うと、脳内の血流が改善して、注意力や集中力が回復することも明らかになっています。是非とも、日々の学習習慣に「運動」を取り入れてみてください。

食事

運動後の補食で、
勉強への集中力をサポート!

元気いっぱい運動した後の勉強中には、「なんだかボーっとする」「集中力が続かない」「眠くなる」ことがよくあります。
これは「やる気がない」からではなく、運動で体や脳のエネルギーがたくさん使われたことが関係しているかもしれません。運動後に適切な補食をとることは、学習に取り組みやすいコンディションづくりに役立つと考えられています。

運動後の補食が大切な理由

運動中は筋肉が大量のグルコース(糖質)を使います。また、勉強をするときに働く脳も、主にグルコースをエネルギー源としています。
そのため、運動のあとに何も食べずにいると、脳へのエネルギー供給も十分でなくなり、集中力や判断力、記憶力が低下しやすくなります。運動後、とくに長時間または高強度の運動では体全体のエネルギー消費が大きくなります。

補食によって適切に栄養を摂取することは、その後の学習に取り組みやすいコンディションづくりにも役立ちます。

運動後の補食で大切な3つのポイント

①糖質を補給する
糖質を摂ることで消費したエネルギーを補い、脳や体の働きを回復させます。

【糖質】おにぎり、バナナ、果物、100%果汁ジュース​

②たんぱく質を組み合わせる
体が栄養を利用しやすい運動後30~60分に糖質とたんぱく質を摂ることで、その後の学習に取り組みやすいコンディションづくりにつながります。

【たんぱく質】牛乳、ヨーグルト、チーズ、卵、納豆・豆腐​

③ビタミンB₁を取り入れる
糖質を効率よくエネルギーに変える働きを助けます。

【ビタミンB₁】豚肉、大豆製品、ごま、玄米​

この3つを組み合わせることで、運動後の回復と、その後の学習へのスムーズな切り替えにつながります。(表1)

表1|運動後のおすすめ捕食メニュー​

補食は200~300kcal程度を目安にすると、夕食が食べられなくなる心配が少なくなります。糖質だけでなく、牛乳、ヨーグルト、卵などなどのたんぱく質を組み合わせることで、回復と学習への切り替えをより効果的にサポートできます。

エネルギー不足は学習効率の低下と
関係しています

朝食の摂取の有無による認知機能を比較した研究では、エネルギーが不足した状態では記憶テストの終了まで長い時間が必要になることが報告されています(図3)。

図3|朝食が記憶テストの所要時間に与える影響​

この研究は朝食を対象としていますが、運動後もエネルギー不足の状態が続くと、同じように集中力や記憶力が低下することがあると考えられます。

食べ過ぎを控えたい食品

①甘い食品・飲み物
血糖値が大きく変動し、眠気や集中力の低下につながることがあります。

②カフェインを多く含む飲み物
睡眠の質や体調に影響することがあるため、控えましょう。

③脂肪分の多い食品
消化に時間がかかり、眠気や胃もたれで学習に集中しにくくなることがあります。

運動後の補食は、体の回復を助けるだけでなく、その後の勉強で働く脳へエネルギーを補給する大切な役割があります。

糖質とタンパク質を組み合わせた補食をとることは、学習へのスムーズな切り替えと運動後のコンディションづくりに役立ちます。毎日の小さな積み重ねが、運動後のコンディションを整え、学習にも前向きに取り組める習慣につながります。
ぜひ運動後の「補食」を取り入れてみてください。

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