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目を守るために
—外遊び・屋外活動のすすめ—

近年、子どもたちの近視が急速に増加しており、世界的に大きな問題となっています。日本も例外ではなく、裸眼視力1.0未満の者の割合が、小学生は36.8%、中学生で60.6%にものぼることが報告されています(令和6年度学校保健統計 文部科学省)。

子どもの近視には、遺伝要因と環境要因の両方が関与していますが、近年の近視の急激な増加には、環境要因が強く関わっていると考えられています。その大きな要因の一つとして、スマートフォン、パソコン、ゲーム機などのデジタル機器を間近で見続ける時間が長くなっていることが指摘されています。一方で、屋外活動が子どもの近視の予防や進行の抑制に有効な方法であることが分ってきました。

近視には、遺伝要因が関与しており、両親が近視である場合にその子供は近視になりやすいことが知られています。子どもの屋外活動時間と近視の発症率を、親が近視かどうかで分けて分析したところ、両親の近視の有無にかかわらず、屋外活動を行うとことによって近視になる割合が低くなったという報告があります(図1)。

図1|屋外活動時間と親の近視による近視の確率​​

台湾政府は、屋外活動が近視の予防に有効だとする研究結果に基づいて、教育省と健康省の主導によって、2010年から小学校で1日2時間以上(休み時間の外遊びや運動を合わせた合計の時間)を屋外で過ごさせるカリキュラムを導入しました。この屋外活動の導入を進めてから、それまで増加傾向だった近視の学童割合が減少傾向に転じて、近視の発症率が大きく減少しました(図2)。

図2|台湾小学生の近視の有病率の推移​

日本では文部科学省が、約5,200人についての3年間追跡調査の結果を発表しています(令和4年度 児童生徒の近視実態調査 調査結果報告書)。そのなかで、学校の休み時間に「いつも外に出る」児童生徒は、「ほとんど外に出ない」子どもに比べ視力低下のリスクが小さく、授業や休み時間を除いた屋外活動が「90分以上120分未満」の児童生徒は、「30分未満」より視力が低下しにくかったことを報告しています。

屋外活動が近視予防になぜ効果的なのか、その科学的な要因がすこしずつ分かってきています。近年の研究では、眼球が前後に伸びすぎてしまうことが、一般的な近視のメカニズムとされています。眼球が伸びすぎるとピントが網膜より手前に合ってしまい、遠くがぼやけるようになってしまいます。 人間の目は太陽光を受けると、網膜からドーパミンという物質を分泌します。このドーパミンは、眼球の伸びすぎを抑えて、近視の進行を防ぐ働きをします。

また、太陽光に含まれるバイオレットライトに関する研究も進んでいます。バイオレットライトは、太陽光に含まれる可視光で、紫外線にいちばん近い短い波長を持つ紫色の光です。このバイオレットライトを浴びると、近視の進行を抑制する遺伝子が働いて、近視になりにくくなるとされています。屋内照明の光は、ドーパミンを出すほどの強い刺激となりませんし、バイオレットライトは屋内ではほとんど遮断されてしまいます。そのため、木陰や曇りの日でもよいので、屋外にでて太陽光を浴びることが重要となります。

残念なことに、近視の治療方法はまだ十分に確立していません。そのため、現時点では近視をいかに予防あるいは進行を抑制するかが重要とされています。屋外活動を行って太陽光を浴びることを増やせば、近視の予防や進行の抑制に大いに役立ちます。その際、身体を動かせば視力だけでなく、心身にも良い影響が得られ一石二鳥です。視力を守るため、推奨されている「1日2時間、週14時間以上」を目安に、屋外で活動する時間を増やしましょう。

食事

疲れ目に良い食事とは?

「疲れ目」を改善する為には十分な睡眠とバランスの良い食事を摂る他、生活の中で目を適度に休めることを心がけましょう。

特に、スマートフォンやパソコンを使う時は、こまめな休憩をとる、遠くを見る、まばたきを意識するようにしましょう。目を温めて血行をよくすることも効果的です。また、「疲れ目」の緩和に効果的な4つの栄養素を紹介します。

ビタミンA

「目のビタミン」といわれるほど、目の健康と関わりが深い栄養です。涙の量を増やし、角膜細胞を作り替え、目の粘膜をうるおして、乾燥から守ります。また、野菜、海藻などに含まれるカロテン類は油脂と調理すると吸収が良くなる為、炒め物など油と一緒に食べることがおすすめです。

【含まれる食品】レバー・うなぎ・銀だら・しそ・モロヘイヤ・にんじん等の緑黄色野菜・チーズ等の乳製品​
アントシアニン

視覚機能の改善や炎症を、抑える作用があるといわれています。抗酸化作用により、目の細胞の健康維持をサポートします。

【含まれる食品】ブルーベリー・カシス・黒豆・しそ等​
ルテイン

目の水晶体や網膜に存在する色素で、目に負担のかかるブルーライトなどから角膜を守ってくれる働きがあります。

【含まれる食品】ブロッコリー・ほうれん草・とうもろこし・卵黄・ケール・パセリ等​
タウリン

抗酸化作用により、目の細胞の健康維持をサポートします。網膜の保護や目の疲労軽減に役立つといわれています。

【含まれる食品】イカ・タコ・カキ・サザエ・ホタテ等魚介類​

生活の中に取り入れられることから、意識してみましょう!

※食育コンテンツ「パクモグチャレンジ~たべもの博士になろう!~」
会員の方:キッズアプリ「進級履歴」から閲覧ください。
一般の方:こちら▼から体験できます。
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