便秘対策
運動で腸の働きを高めよう
便秘により、体内に便が溜まると、腹部の膨満感・腹痛・食欲低下などの体の不調につながることがあります。子供の便秘について調べた研究では、野菜や果物など食物繊維の摂取不足、心理的ストレスと共に運動不足も便秘と関連することが報告されています。
どのような生活習慣をもつ子供が便秘を生じやすいかを調べるため、小学4年生~中学1年生までの3年間追跡調査した研究があります。
その研究では、野菜や果物の摂取不足、心理的ストレスが多いことに加えて「朝食を欠食するようになった」「運動不足になった」子供で便秘の発症リスクが高まっていることがわかりました。(図参照)
腸の蠕動(※2)は、起床後、朝食後、運動後に強くなり排便を促進させます。
腸管がよく動いている起床後、朝食をとることで腸の蠕動がさらに活発になります。したがって、朝食後のトイレ習慣は便秘の予防にはとても効果的です。一方で、運動不足や、朝食を抜いたりすると強い蠕動が起こりづらく便秘になりやすくなります。
※2 蠕動:筋肉の収縮によって生じる、波のような運動のこと
腸の働きは、自律神経(生命維持に必要な機能を調節している神経)によって支配されており、副交感神経(自律神経の一種)が優位のときに排便が起こりやすくなります。運動をするとこの副交感神経が高まります。
「運動をすると、便が大腸を通過する時間が短くなる」「週1回より毎日運動する人の方が便秘の人が少ない」という報告もあります。
運動は腸の動きを良好にすることが確かめられおり、便秘対策として体を動かすこと(適度な運動)は欠かせません。
子どもは消化管の機能が未熟で、排便習慣も十分に身についていないことから、便秘になりやすいと言われています。また、子どもの頃に便秘であった人は、成人期になってからも便秘が続きやすくなります。便秘の予防・解消のため、子どものうちから規則正しい生活、適切な食事と共に適度な運動を心がけましょう。