暑さ対策
手を冷やして熱中症を防ごう
近年、地球の温暖化による気温上昇にともない、毎年多くの人が熱中症で救急搬送されています。
人の体には体温を調整する働きが備わっています。しかし、高温多湿な環境に長くいると体温の調節ができなくなり、体温が上昇してしまいます。さらに、汗を大量にかくと水分と塩分が失われ、めまい、けいれん、頭痛などの熱中症の症状があらわれるようになります。
子どもは体温を調節する機能が十分に発達していないため、大人に比べて熱中症にかかるリスクが高くなります。子どもは体全体に占める水分の割合が多く、大人よりも体重当たりの体表面積が広いため、気温の影響を受けやすくなります。気温が低い時には体温が奪われやすく、逆に気温が高い時には熱が体の中に入りやすくなります。
また、子どもは発汗機能が未熟なため、汗の量が少なく汗をかくまでの時間もかかるため大人ほど体温の調節が上手く行えません。さらに、子供は大人より背が低いため、地面からの照り返しを受けやすいという一面もあります。子どもは屋外での遊びや運動の機会が多いことから、熱中症に対して一層の注意が必要となります。
一般的に屋外での熱中症予防策として、十分な水分補給と塩分摂取、帽子の着用、通気性の良い涼しい服装、適切な休息などがあげられます。
これらと並んで、体を冷やすことも有効とされています。特に体全体を冷やすために、手のひらを冷やすこと(手のひら冷却)が効果的だとされています(図:ランニング中の手のひらを冷却したことによる体温の上がり方を比較した結果)。
手のひらには体温調整に大きな役割をはたす血管があります。手のひら冷却は、この血管を冷やすことにより血液の温度を下げ、その血液を全身に流すことにより体温を下げようとするものです。
手のひら冷却には、運動前や運動間に10~15℃程度の水(冷たすぎると血管が収縮して、熱を発散しにくくなってしまいます)に5~10分間両手を浸けるという方法があります。また、冷やしたペットボトルや保冷剤(布などを巻いて温度を調節)を握るなどの方法でも手のひら冷却を行うことができます。
ついつい遊びや運動に夢中になっておろそかになりがちですが、水分・塩分補給、休憩をしっかり行いましょう。その際にぜひ、手のひら冷却を行ってみてください。