発汗
寒い季節にこそ汗をかこう!
暑い季節は立っているだけでも吹き出てくる汗ですが、寒い季節はあまり汗をかかなくなってきますよね?汗の大切な役割は『体温調節』です。
私たちの体は、暑いときは体温の上昇を防ぐために、血管を拡げてたくさんの血液を流し、皮膚表面の温度を上げて熱を放出します。しかし、気温が高く、皮膚の温度との差が小さくなると、この方法だけでは熱を十分に逃がすことができないため、汗をかき、その蒸発によって熱の放散を行います。
このように、恒温動物である人間が正常に体温を保つために汗は欠かせませんが、汗をかいていない期間が長くなると、汗腺(皮膚にある汗を分泌する腺)は「働かなくていいんだな」と思いこみ、その機能を低下させてしまいます。また、汗腺の数は3歳前後で決まるといわれていますので、この頃までによく汗をかいておくと汗腺が発達し、体温調節がしやすくなると考えられています。
上手に汗をかくには?
上手に汗がかける体をつくるには運動が効果的です。
運動を継続的に行っていると、汗のかき始めが早くなったり、同じ体温で出る汗の量が多くなります(図)。また、血流も増加するので、その結果、熱の放出が早くできるようになり、体温の上昇をうまく抑えることができるようになります。汗に含まれる塩分(ナトリウム)も抑えられるので、体に必要なナトリウムが失われにくくなります。このように普段から運動で汗をかく機会を増やしておくと、汗腺の働きが良くなり、体温調節がしやすい体ができていきます。
また、冬に温度の低い屋外と暖房を効かせた温度の高い室内を出入りすると、急激な温度差によって自律神経が混乱してうまく働かなくなり、体調を崩しがちになります。運動をして汗をかくと、自律神経の働きも良くなるので、さまざまな不調の改善にも役立ちます。
これからの季節こそ、運動で定期的に汗を流して快適な体を保ちましょう。